EMT

EMTは1940年に、業務用の各種測定器メーカーとしてドイツに設立された。創設者はWilhelm Franz氏(1913-1971)で、当時はEMT-Franzと呼ばれた。EMTはElectro-Mess-Technikの要約。
 第二次大戦後はアナログプレーヤーにも進出し、1950年代初頭には、大型ターンテーブルを持つ927、1956年にそのジュニア機930のオリジナル機を発表している。これらは完全に業務用を目的としたもので、ヨーロッパ各地の放送局で多く使用されていたが、その後日本にも知られるようになってからは、業務用としてばかりではなく、マニア垂涎の高性能機として注目された。初期のものはアイドラードライブ(リムドライブ)仕様であったが、後期には、948、950といったダイレクトドライブのモデルも生産。
 1966年ごろには、一時Thorensを買収し、その工場を所有していたこともあって、当時のThrensのアームのデザインを踏襲して、より高いレベルに昇華したEMT929(1969~)、EMT997(1974~)を開発。当時のEMT928(ベルトドライブ)はトーレンスの工場でつくられたものである。
 また、CDプレーヤーも生産し、980、981、982といった機械が知られている。
 1990年前半に世界的な映像機器メーカーBARCO社に買収され、BARCO-EMTとなるが、現在は、「EMT-Studiotechnik」という小さな会社となり、メンテナンスや機器販売をしている。
 また、現在は、かつてEMTの副社長で、EMT948の開発設計などにも携わったHans-Ludwig Dusch氏の「Studio Technik Dusch」社が、古いEMTの各部品や工作機械などを買い取って所有し、総合的なメンテナンスや部品の供給を行っているため、部品のある限りにおいては、かなりのレベルでメンテナンス、オーバーホールが可能となっている。

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